HAL 9000とは › 声と赤い目
HAL 9000の声と赤い目
HALの声を演じたのは、カナダの俳優ダグラス・レイン(1928年ウィニペグ生まれ)です。続編の映画『2010年』(1984年)でも同じHALの声を務めました。2018年11月に90歳で亡くなっています。
HALは体を持たず、船内のあちこちに付いた、奥が赤く光るカメラのレンズとして描かれます。このレンズが「HALの目」として知られています。
声の俳優ダグラス・レイン
- 生まれ
- 1928年、カナダのウィニペグ
- おもな仕事
- カナダの演劇祭ストラトフォード・フェスティバルの創設メンバー。1953年の最初の公演から出演し、長く舞台に立った
- HALの役
- 映画『2001年宇宙の旅』(1968年)と、続編の映画『2010年』(1984年)
- 亡くなった時
- 2018年11月、90歳
NBC News(2018年11月12日)によると、キューブリックはもともと、レインが語りを務めたカナダ国立映画制作庁のドキュメンタリー『Universe』(1960年)を聞いて、映画の語り手としてレインを起用しました。その後、HALの声を任されています。
同じ記事は、レインの感情を表に出さない落ち着いた読み方が、HALが乗組員の命を奪う場面をかえって衝撃的なものにした、という評価も伝えています。怒鳴ったり慌てたりしない声のまま、取り返しのつかないことをする。この落差がHALの怖さの中心です。
赤い目(カメラのレンズ)としての姿
映画のHALには顔も体もありません。船の中の操縦席や通路、部屋の壁に同じレンズが付いていて、乗組員はそのレンズに向かって話しかけます。レンズの奥が赤く光っていることから「赤い目」と呼ばれます。
体のないコンピューターを、どこにでもある1つの目として見せたことで、「船じゅうがHALに見られている」という感じが出ています。乗組員が隠れて相談しても、HALはレンズ越しに唇の動きを読んで内容を知ってしまいます。
このサイトでは、映画の場面写真やスクリーンショット、HALのレンズをそのまま描いた絵は使っていません。姿の説明は文章だけにしています。
止まっていく場面の声
船長のボーマンがHALの記憶装置を抜いていくと、HALの話し方は少しずつゆっくりになり、最後は昔の歌『デイジー・ベル』を歌いながら止まります。冷静だった声が崩れていくこの場面も、HALの声が強く記憶に残る理由のひとつです。