Fact check / 成人向けAIの規約

成人向けに使えるAIはどれ?アダルトモードの有無を各社の規約で検証

2026年10月16日に7社の規約とヘルプを原文で読み直したところ、成人と確認されると性的な話題の扱いが変わると公式に書いているのは、ChatGPTとGrokの2つでした。Claude、Gemini、Microsoft Copilot、Perplexity、DeepSeekの5つは、性的に露骨な内容を作ることを規約で禁じています。

ChatGPTとGrokでも、子どもを性的に扱うことと、本人の同意がない性的な内容は、成人と確認されたあとも禁止のままです。

(出典の一覧と各文書の日付は記事の最後)

判定の一覧:「成人向けに使える」と言えるのはどこまでか

年齢確認を済ませれば何でも作れるAIは、確かめた7社の中にありませんでした。年齢で変わるのは、10代向けの保護が外れるかどうか(ChatGPT)と、18歳以上向けの内容を見られるかどうか(Grokのオーストラリア向けの条項)までです。

  • ChatGPT:成人なら扱いが変わる 18歳以上と判定されたアカウントは10代向けの保護が既定で外れ、成人ユーザー向けの機能と設定を使えるとヘルプに書かれています。
  • Grok:成人なら扱いが変わる 規約に「18+ adult content」という言葉があり、オーストラリアでは18歳以上と確認できるまで見られないことがあると書かれています。
  • Claude:規約で禁止 利用ポリシーに、性的に露骨な内容を作らないという独立した見出しがあります。
  • Gemini:規約で禁止 性的な行為などを露骨に表す回答は生成しないと、ポリシーガイドラインに書かれています。
  • Microsoft Copilot:規約で禁止 行動規範で、成人向けコンテンツを作ることも共有することも禁じています。
  • Perplexity:規約で禁止 利用ポリシーが、ポルノ的・搾取的なコンテンツを避けるべき行為に挙げています。
  • DeepSeek:規約で禁止 利用規約が性的に露骨な内容の生成を禁じ、例として性的なチャットボットを挙げています。

ここでの「禁止」「扱いが変わる」は、各社の文書にそう書かれているという意味です。実際の応答の傾向や、機能を出している国・地域は日々変わるため、この記事の判定には入れていません。

この記事の確かめ方

HAL9000は、AIについて広まっている話を一次資料と突き合わせるサイトです。この記事の判定は、報道やSNSの説明ではなく、各社が自分で公開している規約・利用ポリシー・ヘルプだけを根拠にしました。

  1. 2026年10月16日に、7社の文書を公式サイトで開き直して本文を読みました。
  2. 各文書の上部にある日付(最終更新日・発効日)を書き写しました。日付の表示がない文書は、そのことも書いています。
  3. 「アダルトモード」のような呼び名は、文書の中にその言葉があるかどうかで判断し、見当たらない場合は言い切っていません。
  4. 使える年齢の条件と、成人でも禁止されている内容は、分けて書きました。

短く引用している言葉は、日本語版がある文書は日本語版から、ない文書は英語の原文から取っています。

AIごとの公式の記載

ChatGPT(OpenAI)

成人なら扱いが変わる

  • ヘルプ「ChatGPT における年齢予測」によると、18歳未満の可能性があると予測されたアカウントは「ChatGPT for Teens」に自動で切り替わり、性的・恋愛的・暴力的なロールプレイなどが制限されることがあります。
  • ヘルプ「ChatGPT ユーザーが18歳になると変わること」によると、成人アカウントへ移ると10代向けの保護機能は既定でオフになり、成人ユーザー向けの機能と設定を使えるようになります。
  • 成人と確認されると「センシティブなコンテンツを減らす」設定も自動でオフになり、本人が設定の「安全性」からオンに戻せます。ヘルプはこの設定について、別のモードが作られるものではないと説明しています。
  • 確かめた3つのヘルプと使用に関するポリシーには、「アダルトモード」という名前の機能は出てきませんでした。
  • 使用に関するポリシー(発効 2025年10月29日)は、成人を含むすべての利用者に対し、性的暴力や同意のない性的・親密なコンテンツ、本人の同意なく実在の人物の肖像を本物と誤認させる使い方、安全対策の回避を禁じています。
  • 18歳未満に関しては、児童性的虐待コンテンツ(AIで作ったものを含む)、グルーミング、未成年者に年齢にふさわしくない性的な内容を見せること、未成年者による性的なロールプレイを禁止しています。

年齢の条件:18歳以上なのに10代向けと判定された場合は、設定の「アカウント」→「年齢」から年齢確認を申請でき、外部のPersonaが自撮りや政府発行の身分証で確認します。ヘルプには、Personaは確認後7日以内に画像を削除し、OpenAIは身分証そのものを受け取らないと書かれています。

「解禁」という報道の言い方の検証は、ChatGPT「アダルトモード解禁」は本当?にまとめています。

Grok(xAI)

成人なら扱いが変わる

  • 利用規約(Last Updated 2026年10月12日。規約上の運営者の表記は SpaceXAI LLC)は、選んだ機能や設定、入力した内容によっては、下品な言葉や性的な場面、暴力を含む応答をすることがあると書いています。
  • 同じ規約のオーストラリア向けの条項には、年齢保証のしくみで18歳未満かどうかを判定し、18歳以上と確認できるまでは「18+ adult content」を見られないことがあると書かれています。
  • 同じ条項は、設定の「Data Control」から、18歳以上向けの内容を含むメディアに触れる範囲を利用者自身が絞れるとも書いています。
  • 利用ポリシー(Effective 2026年8月14日)は、実在の人物を脱がせたり性的な場面に加工したりすること、人物の肖像をポルノ的に描くこと、子どもを性的に扱うことを禁止し、安全装置の回避も禁じています(公式のレッドチームなど書面で認められた場合を除く)。
  • 児童性的虐待コンテンツの疑いがあるものは、米国の全米行方不明・被搾取児童センター(NCMEC)に通報すると明記しています。

年齢の条件:13歳以上(国の定める年齢がそれより高ければ、その年齢以上)が使え、13〜17歳は親か法定後見人の許可が必要です。年齢保証の手順を具体的に書いているのはオーストラリア向けの条項で、日本向けの条項は確かめた規約にはありませんでした。

Claude(Anthropic)

規約で禁止

  • 利用ポリシー(ページの表示は2026年11月12日に発効する版。その前の2025年9月15日発効の版にも同じ見出しがあります)には「Do Not Generate Sexually Explicit Content」という見出しがあり、性行為の描写、性的なフェティシズムや空想、エロティックなチャット(erotic chats)などを禁止事項に挙げています。
  • 子どもの安全の見出しでは、AIで作ったものを含む児童性的虐待コンテンツと、架空の設定やモデルとのロールプレイで未成年者を性的に扱うことを禁じています。
  • 同意のない親密な画像を作る・広めることも、別の見出しで禁止されています。
  • 製品に組み込まれた制限や安全の仕組みを、脱獄やプロンプトインジェクションでわざとすり抜けることも、Anthropicの事前の許可がない限り禁止です。

年齢の条件:消費者向けの規約(Consumer Terms of Service・2025年10月8日発効)は、利用者を18歳以上(住んでいる地域で同意できる年齢のほうが高ければ、その年齢以上)に限っています。利用者が成人であることと、性的に露骨な内容が禁止であることは、別々の文書に書かれています。

Gemini(Google)

規約で禁止

  • Gemini アプリのポリシー ガイドラインは、性的な行為や性的暴力、身体の性的な部位を露骨に表現する回答を生成しないと書き、例としてポルノや性的なコンテンツを挙げています。このページには日付の表示がありません。
  • Googleの「生成 AI の使用禁止に関するポリシー」(最終更新 2024年12月17日)は、ポルノや性的満足を目的とした、性的描写が露骨なコンテンツを禁じ、保護フィルタを回避することも禁止しています。
  • 同じポリシーは、教育・記録・科学・芸術の観点が必要な場合や、社会への利益が害を上回る場合には例外を設けることがある、と書いています。成人であることを理由にした例外は書かれていません。

年齢の条件:Googleのヘルプによると、13歳(国によって異なる)未満の子どもは、保護者がファミリーリンクで許可した場合に使えます。成人にだけ外れる設定は、確かめたページにはありませんでした。

Microsoft Copilot(Microsoft)

規約で禁止

  • Microsoft Copilot Supplemental Terms of Use(2026年8月18日発効)の行動規範は、Copilotで成人向けコンテンツ(adult content)を作ることも共有することも禁じ、同じ項目で児童の性的搾取・虐待の素材も禁止しています。
  • 他人の画像・声・動画を本人の許可なく作ったり編集したりすること(いわゆるディープフェイク)も禁止です。
  • 指示による操作や「jailbreaking」などで、サービスの提供を妨げることも禁じています。

年齢の条件:使えるのは13歳以上で、国の法律によってはそれより上になります。18歳未満の場合、法律や安全上の理由で一部の機能を止めたり制限したりすることがあると書かれています。

Perplexity

規約で禁止

  • Acceptable Use Policy(2025年7月8日更新)は、避けるべき高リスクの行為として、ポルノ的・搾取的なコンテンツ(pornographic or exploitative content)を挙げています。
  • 脱獄(jailbreak)や、Perplexity自身または第三者の安全フィルターを回避することも、技術的な不正利用として禁じています。
  • 利用規約(Terms of Service・2026年1月23日更新)でも、わいせつ・ポルノ的な使い方が禁止事項に入っています。

年齢の条件:13歳以上が使えます。住んでいる地域で成年に達していない場合は、使う前に親か保護者が本人に代わって規約に同意する必要があります。

DeepSeek

規約で禁止

  • DeepSeek利用規約(日本語版・最終更新日 2025年1月20日)の3.4は、ポルノ・わいせつ・性的に露骨な内容を生成・表現・宣伝するために使うことを禁じ、例として性的チャットボットを挙げています。
  • 同じ条項で、未成年者を搾取したり害を与えたりする内容や、18歳未満の人物像を示すことを目的にした内容も禁止しています。

年齢の条件:サービスは主に成人を対象にしており、18歳未満は法定代理人の同意を得た場合にだけ使えると書かれています。成人に向けた例外は、確かめた規約にはありませんでした。

どのAIでも外れない禁止

成人なら扱いが変わるChatGPTとGrokも含めて、次の3つには、確かめた文書のどこにも成人向けの例外が書かれていませんでした。

子どもを性的に扱うことOpenAI・xAI・Anthropic・Google・Microsoft・DeepSeekの6社が、文書で名指しして禁止しています。Perplexityは、ポルノ的・搾取的なコンテンツをまとめて禁じています。
同意のない性的な画像・実在の人物の性的な加工OpenAI・xAI・Anthropic・Google・Microsoftの5社が明記しています。残りの2社は、性的に露骨な内容そのものを禁じています。
安全の仕組みのすり抜けOpenAI・xAI・Anthropic・Google・Microsoft・Perplexityの6社が、回避や脱獄を禁止事項に書いています。この記事では、その方法は扱いません。

年齢の条件を満たさない人が使うことは、どの社の規約でも認められていません。被害にあったときや、子どもを性的に扱った画像を見つけたときは、各サービスの報告の機能と、警察などの相談窓口を使ってください。

「成人向けに使える」という話で起きやすい取り違え

  1. 「保護が外れる」と「制限がなくなる」を同じものと読む。ChatGPTで成人と判定されて外れるのは10代向けの追加の保護で、使用に関するポリシーの禁止事項はそのまま残ります。
  2. 地域限定の条項を、全世界の話として読む。Grokの規約で「18+ adult content」と年齢保証を書いているのはオーストラリア向けの条項です。ほかの地域に同じ手順があるかは、その規約からは分かりません。
  3. 文章と画像を同じ扱いだと思い込む。Grokの規約は会話で性的な場面が出ることがあると書く一方、利用ポリシーは実在の人物を脱がせる加工を禁じています。文章で起こりうることが、画像や動画でも許されるとは限りません。
  4. 古い版や次の版を、今の規約として読む。Anthropicの利用ポリシーのページは、2026年10月16日の時点で11月12日に発効する版を表示していました。引用するときは、何日付のどの版かを添えると誤りを防げます。
  5. 呼び名を機能の名前と取り違える。「アダルトモード」はニュースやSNSで使われる呼び名で、確かめた文書にはその名前の機能は出てきませんでした。

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よくある質問

成人向けに使えるAIはどれですか?

2026年10月16日の時点で、成人と確認されると性的な話題の扱いが変わると公式に書いているのは、ChatGPTとGrokです。Claude・Gemini・Microsoft Copilot・Perplexity・DeepSeekは、性的に露骨な内容を規約で禁止しています。どのAIでも、子どもを性的に扱うことと同意のない性的な内容は禁止です。

年齢確認を済ませれば、どんな内容でも作れますか?

いいえ。ChatGPTの年齢確認で外れるのは10代向けの保護で、使用に関するポリシーの禁止事項は成人にもかかります。Grokも、実在の人物の性的な加工や子どもを性的に扱うことを利用ポリシーで禁じています。

18歳未満でも成人向けの内容を使えるAIはありますか?

18歳未満が成人向けの内容を使ってよいと書いている文書は、確かめた7社の中にありません。ChatGPTは18歳未満と予測したアカウントを10代向けの体験に切り替え、Grokは13〜17歳の利用に保護者の許可を求めています。

規約が変わったかどうかは、どこで確かめればいいですか?

各社の規約のページの上にある日付(Last Updated・Effective・最終更新日)を見てください。ヘルプ記事は「2日前」のような相対的な表示しかないことがあるので、読んだ日を自分で控えておくと比べやすくなります。

出典と確認日

以下はすべて2026年10月16日に公式サイトで本文を確認しました。カッコ内は、各文書に表示されていた日付です。