Okta Enterprise AI Index / Fact Check

Anthropicが企業AIで1位、はどこまで正しい?

数字の種類を取り違えると「Anthropicが企業AI市場を制覇した」という誤った結論になります。一次資料から、言えることと言えないことを切り分けます。

判定:条件付きで正しい

「Anthropicが企業AIで1位」は、Oktaが観測した4年間の企業アカウント純増数については正しい表現です。市場シェア、売上、総利用者数、アカウント総数の1位という意味なら誤りです。絶対的なアカウント規模はMicrosoft 365が最大でした。

100、66.9、59.8はシェアではない

順位サービス純増指数分類
1Anthropic100.0AIネイティブ
2OpenAI66.9AIネイティブ
3Google Workspace59.8AI強化型
4GitHub56.6AI強化型
5Cursor42.4AIネイティブ

最も多くアカウントを純増したAnthropicを100とした指数です。分母が市場全体ではないため、各数値をパーセントとして足し合わせたり、導入シェアと呼んだりすることはできません。

この調査だけでは分からないこと

売上と契約額席数やアクセスは契約単価、API消費額、ARRを示しません。
業務成果導入数が多くても、生産性や品質が高いとは限りません。
世界市場全体Oktaを経由しない企業、個人利用、クラウドAPI利用は別です。

母集団と対象範囲

項目内容
期間2022年6月から2026年6月
母集団Okta Platform上の2万超の組織
データ匿名化されたエンタープライズSSOアクセス
対象基盤モデル、開発者ツール、企業検索、生産性、会議AI、制作スイート
対象外部門別業務記録、クラウド基盤経由のAI、サイバーセキュリティAIなど

57%のマルチAI利用が示す管理課題

約57%の企業顧客が2社以上のAIプラットフォームを利用していました。なお親会社単位の集計なので、GitHubとMicrosoft 365を併用してもMicrosoftという1プラットフォームとして数えます。

複数AIの採用はベンダーロックインを避け、用途別に最適化できる一方、権限、データ連携、監査ログ、契約、退職者処理を分散させます。導入数だけでなく「誰が、どのAIで、どのデータへアクセスできるか」を台帳化する必要があります。

確認した情報源