米国主導のオープンウェイトAI基盤を求める共同声明
Microsoftは2026年7月24日、「Open Weights and American AI Leadership」を公開しました。オープンウェイトがAIへのアクセス、競争、顧客の選択、技術主権、安全研究を支えるとして、米国がエコシステム構築を主導するよう求めています。
声明が挙げる4つの利点
| 論点 | Microsoftの主張 | 確認すべき条件 |
|---|---|---|
| アクセス | 最初から学習せず、高額なフロンティアAPIを毎回使わずに開発できる | GPU、運用、人材を含む総費用 |
| 競争 | モデル、クラウド、チップ、アプリ、サービス間の競争を促す | ライセンスと実際の移植性 |
| 顧客管理 | 単一提供者への固定を減らし、配置・評価・調整を選べる | データ、ツール、実行基盤まで移せるか |
| 安全性 | 多くの研究者が検査し、防御策や評価を改善できる | 公開後に回収できない悪用リスク |
政策立案者への提言
- スタートアップと研究者が計算資源を利用しやすくする。
- データセット、ツール、評価フレームワークなど共有学習資産へ投資する。
- 競争や海外流出を損なう早すぎる包括規制を避ける。
- オープンウェイトを実際の産業へ展開できるアプリ層を育てる。
- 不正行為には対象を絞った法的・商業的枠組みで対処する。
蒸留そのものと不正な能力抽出を分ける
声明は、あるモデルの出力を別モデルの改善・評価に使う蒸留を、広く使われるモデル開発技術と説明します。一方、クローズドモデルから価値を不法に抽出する行為には正当な懸念があると認めています。
すべての蒸留を無条件に合法・適切とした声明ではありません。契約、利用規約、著作権、不正アクセス、営業秘密など具体的な行為に応じ、対象を絞って扱うべきだという主張です。
Anthropicは署名一覧にないが、一律禁止にも反対
AnthropicはMicrosoftの署名一覧に含まれていません。ただし同社CEOのDario Amodei氏は、危険な能力を持たないオープンウェイトは公共財であり、一律禁止を支持していないと明言しています。
相違点は安全性の見立てです。Microsoft声明は広いアクセスが防御能力を強化すると重視しますが、Anthropicは、高性能モデルでは攻撃側が有利になる領域もあり、防御側へ必ず有利とは限らないと指摘します。十分に高性能なオープン・クローズド両方のモデルへ公開前安全性試験を求めています。
署名していない理由は公式には示されていません。Anthropicの別記事から、共同声明への参加拒否理由や他社への反対意思まで断定しません。
署名は7月28日時点で133組織
Microsoft公式ページの署名欄は、報道時点の一覧から更新されています。OpenAI、Google、Microsoft、Meta、NVIDIA、AMD、Amazon、Hugging Face、SpaceX、Sakana AIなどを含みます。
133組織の一覧を開く
- Agno
- AI21
- alphaXiv
- AMD
- American Innovators Network
- Amazon
- AMP
- Andreessen Horowitz
- AnythingLLM
- Applied Compute
- Arcee AI
- Arena
- ARK Invest
- Armada
- Atreides Management
- Automattic
- Baseten
- Black Forest Labs
- Block
- Bolt
- Box
- Bria
- Browserbase
- Camber
- Cisco
- Cline
- Cloudflare
- Cohere
- Comcast
- Core Automation
- CoreWeave
- Corridor
- CrowdStrike
- Crusoe
- Databricks
- DataRobot
- DatologyAI
- Daytona
- Dell Technologies
- Digital Ocean
- Disruptive
- DoorDash
- E2B
- EdgeRunner
- EleutherAI
- Emergence Capital
- Emergent
- Exia Labs
- Fastino Labs
- Fireworks AI
- FriendliAI
- Genspark
- GitHub
- GitLab
- Glean
- GMI Cloud
- Goodfire
- GPU MODE
- Groq
- Harness
- Hugging Face
- humans&
- IBM
- Inferact
- Intangible
- Intel
- Interconnects AI
- LangChain
- Letta
- Lightning AI
- Liquid AI
- LM Studio
- LMSYS
- Mariana Minerals
- Merge
- Meta
- Microsoft
- Mistral
- Modal
- Morph
- Mozilla
- Nebius
- Neon
- Netlify
- Notion
- Nous Research
- NVIDIA
- Ollama
- OpenAI
- OpenClaw
- OpenCode
- Palantir
- Palo Alto Networks
- Periodic Labs
- Perplexity
- Plastic Labs
- Postman
- Prime Intellect
- PrismML
- RadixArk
- Red Hat
- Reducto
- Reflection
- Rehearsals
- Reka
- Replit
- Resemble AI
- Ricursive Intelligence
- Runway
- Sakana AI
- SAP
- Scale
- ServiceNow
- Siemens
- SkyPilot
- SpaceX
- Stack Overflow
- Sycamore
- Telnyx
- TensorWave
- The Linux Foundation
- Together AI
- TrainLoop
- Trajectory
- TrendAI
- Uber
- Unsloth
- Unusual Ventures
- Vercel
- WRITER
- Y Combinator
- Zoom
署名数と一覧は今後も変わる可能性があります。本記事では2026年7月28日の公式ページを基準にしています。
関連ページ
確認した公式情報
よくある質問
声明は何を求めていますか?
米国主導のオープンウェイトAI基盤を育てるため、計算資源、共有学習資産、競争、対象を絞った規制を重視するよう求めています。
署名は何組織ですか?
Microsoft公式ページを2026年7月28日に確認した時点で133組織です。署名一覧は更新される可能性があります。
Anthropicはオープンウェイト禁止を求めていますか?
同社は一律禁止に反対しています。ただし高性能モデルには公開前安全性試験が必要で、防御側が必ず有利になるとは限らないと述べています。
オープンウェイトはオープンソースですか?
必ずしも同じではありません。OSIはオープンソースAIに、重み以外の学習コードや十分なデータ情報も求めています。