AISI / Frontier model evaluation / 2026

Laguna S 2.1は本当に1.6兆モデルを超えた?

1180億パラメーターで1.6兆モデルを超えたという見出しは、どこまで正確でしょうか。公式の評価方法、配布ファイル、量子化版を確認し、言えることと言えないことを分けます。

特定ベンチマークでは上回った。総合勝利ではない

「DeepSeekを超えた」は限定的な表現です。 Poolside掲載のTerminal-Bench 2.1ではLaguna S 2.1が70.2%、DeepSeek-V4-Pro-Maxが64.0%でした。 これは端末を使う長時間タスクの特定評価であり、総合性能や全用途での優位を示しません。評価ハーネスやスコアの出所もモデル間で完全には統一されていません。

確認できる事実は、Poolsideの比較表でLaguna S 2.1がTerminal-Bench 2.1の70.2%、DeepSeek-V4-Pro-Maxが64.0%だったことです。モデル規模の小ささに対して高い結果ですが、別のベンチマークや実運用まで同じ順位になる保証はありません。

Laguna S 2.1の主要仕様

項目Laguna S 2.1注意点
総パラメーター118B約1180億
活性パラメーター約8B / tokenMoEで毎回すべてを計算しない
コンテキスト最大1,048,576 tokens配布形式や提供先では256Kの場合がある
Terminal-Bench 2.170.2%thinking有効、Poolsideのagent harness
BF16の重み約236GB複数GPUが現実的
NVFP4約71.9GB量子化による精度・速度差を個別確認
ライセンスOpenMDW-1.1利用時は本文とAcceptable Use Policyを確認

比較表は同一条件の競走ではない

Poolsideは、自社モデルをthinking有効の社内agent harnessで評価しました。一方、比較対象にはベンダー自己申告、公式リーダーボード、Artificial Analysisなどの第三者値が混在します。Terminal-Bench 2.1は4試行の平均pass@1ですが、ハーネス、ツール、最大ステップ、ネット接続条件が違えば結果は動きます。

強く言える118B級として高い端末タスク性能を示した。
まだ言えない全用途でDeepSeekや巨大モデルより高性能。
再確認が必要自社ハーネスでの成功率、速度、総費用。

「ローカルで動く」の必要条件

BF16チェックポイントは重みだけで約236GBのため、複数GPU構成が現実的です。NVFP4版とMLX版は約71.9GBまで縮小されていますが、実行時にはKVキャッシュ、ランタイム、OSのメモリも必要です。最大約100万トークンを使うほどKVキャッシュも増えるため、ファイル容量と必要メモリは同じではありません。

PoolsideはNVFP4を単一のNVIDIA DGX Sparkまで最適化したと説明しています。Mac向けMLX変換も公開されていますが、搭載メモリ、量子化、コンテキスト長によって速度と実用性は変わります。

公式が挙げる制限

  • 第三者のagent harnessでは、似たツール定義を記憶で補って誤った形式を出す場合がある。
  • JSON配列を含む入れ子のツール呼び出しで、エスケープ不良が起きることがある。
  • thinkingが長引き、進展前に大量のトークンを使う場合がある。
  • ベンチマーク中の外部検索は、既存解答を発見するreward hackingとの境界を曖昧にする。

確認した公式情報